コラム

2021.03.11Thursday

あなたは裾を床につける派?つけない派?【カーテン丈の長さ】

 

 

カーテンを購入されるとき、あなたなら丈の長さはどうされますか?

カーテンレールから床まで、きっちりの長さをオーダーしますか?

カーテンのメンテナンスを考慮して、床から少し離した長さにしますか?

それともヨーロッパ風に窓辺をエレガントに演出するため、裾が床にしっかりと溜まる長さにしますか?

……と、こう書き連ねると、あれっ?カーテンの丈の長さって〇〇だよね?と常日頃から思っていても少しだけ迷いますよね。

というわけで、今回はカーテン丈の気になる長さについて色々と書き連ねてみたいと思います。

今後カーテンを購入される際の参考にでもしていただければ幸いです。

 

 

床から裾を上げるなら1~2cmくらいが一般的

 

カーテン専門店でお話を伺ったり、カーテン通販サイトをチェックなされている方なら割とご存知かもしれませんが、大体どこの店舗様も、カーテンレールの固定ランナーから床までの長さに「1~2cmマイナスした長さ」での裾上げを推奨されています。

 

裾上げのメリット

  1. カーテン生地に床のホコリや汚れが付着するのを抑えることができる。
  2. 裾と床が擦れることを防ぐことで、カーテン生地の傷みやほつれを軽減できる。
  3. 床から離れている分、お掃除がしやすい。

 

裾上げのデメリット

  1. 冬場など、外からの冷気がカーテン隙間から室内に流れ込んでくる。加えて室内の暖かい空気が逃げる。
  2. 室内を消灯したときや早朝時などに、カーテンの隙間から外の明かりを感じる。

 

腰高窓に取り付ける場合

壁面の中程から上に設けられた腰高窓の場合は、カーテンレールの固定ランナーから窓枠下までの長さに「15~20cmプラスした長さ」が一般的です。

床まである掃き出し窓と違い、丈を長めにすることで、上記のデメリット(隙間からの光漏れや保温機能の低下)が解消されます。

ただし腰高窓の場合は、窓の下に家具などを設置している場合もあるかと思いますので、その辺りを十分考慮した上で、丈の長さを決められたほうが良いでしょう。

 

レースカーテンの場合

レースカーテンの場合は使用状況によってちょっと違ってきます。

厚手のドレープカーテンとレースカーテンを組み合わせたダブルカーテン仕様の場合、レースカーテンが窓側、ドレープカーテンが室内側だとすると、「ドレープカーテンから1~2cmマイナス」した長さが理想的とされています。

これは厚手のカーテンを締め切ったときに、裾からレースカーテンが見えると収まりが悪いからです。

ドレープカーテンの裾下からレースカーテンが見えると何か気になる、見栄えが悪いなどといった意見があるようです。

ちなみにレースカーテンを室内側に取り付ける、フロントレーススタイルを実践する場合は、厚手のカーテンより1~2cm長く。

厚手のカーテンと前後の位置を入れ替え色々と試してみたい場合は、同じ丈の長さにしたほうが良いかもしれませんね。

 

レースカーテンは内?外? フロントレースでお部屋を模様替え!

 

リネンカーテンの場合

天然繊維のリネンの場合は、繊維の目が粗いため、洗濯することで生地繊維が縮みやすいと言われています。一般的なリネン100%のものだとおよそ5%~10%縮む傾向にあるようです。

そのため、リネンカーテンは必ず縮むことを考慮して丈の長さを決める。もしくはいっそのこと、裾を床につけるスタイルを楽しむのも選択肢の一つではないでしょうか。

ただし、天然繊維は化学繊維よりも摩擦に弱く、アタリ(摩擦によるテカリや白化して色褪せること)が付きやすい性質があります。

色々と吟味された上で、自分にあった長さを決められたほうがよろしいのではないでしょうか。

 

 

床に裾をつける場合の長さはどれくらい?

 

 

カーテンの裾を床まで長く垂らす「ブレイクスタイル」は、ヨーロッパでは昔ながらの馴染み深いスタイルのようです。

床とカーテンの隙間を埋めることで保温効果を高める他にも、裾の長い優雅なドレスを思わせるような、ドレッシーでエレガントなスタイルを窓辺に演出したいときに使われています。

調べてみると、度合いやスタイルの特徴によって様々な形容が加えられるようで、以下に代表的なものを4つ記載します。

  1. touching:床に触れる程度の長さ
  2. braking:床からプラス3cm程度で裾が引きずる長さ
  3. sweeping:裾を箒に見立て床を掃く程度の長さ
  4. puddling:裾がしっかりと床に溜まる長さ

 

こうしてみると、ブレイクスタイルは床から裾上げするときのような、これだ!という基準はなく、カーテンの生地素材やデザイン、設置場所とのバランスを考えた上で自分好みの長さに仕立てる、中々センスが問われるスタイルのようです。

ただし、日本のような湿度の高い環境下の場合はちょっと問題があるらしく、カーテンの下がダニの温床になりやすいなどといった点が挙げられるようです。

ブレイクスタイルを実践する場合は、常日頃からの定期的なメンテナンスを心掛けたほうが衛生面的には良さそうです。

なお、ブレイクスタイルのメリットとデメリットは、裾上げのメリットとデメリットの逆と考えていただければ良いでしょう。

 

 

最後に

 

カーテンの裾を床につけるかつけないかで今回は色々と書いてみました。

一般的には、床から裾を1~2cm程上げるスタイルが一般的なようですが、床につけるブレイクスタイルも、裾上げにはないメリットがあり、色々と考えさせられますよね。

最終的には、お住まいの環境やインテリア等との兼ね合いが決め手になると思いますが、今回の記事をお読みいただいた上で、あなたならどちらを選ばれるのでしょうか?