カーテンを選ぶ際、色・柄と同じくらい迷われるのが生地素材。
各素材の特徴を知ることで、あなたが求めるカーテン像がきっと見つかるはず!
それぞれの種類や特徴を理解して、あなたのお部屋に合ったカーテン選びの参考にしてください。
カーテン生地:天然繊維
天然繊維とは、主原料が天然素材のもののことを言い、植物(綿・麻など)、動物(毛・絹など)、鉱物(石綿など)に分かれます。
綿(コットン)
丈夫で柔らかな肌触りが特徴のコットン。
吸水性・通気性・耐熱性・染色性にも優れた生地素材。
その反面シワになりやすく、洗濯時に吸収した水分が乾燥する際、縮んでしまうこともあります。
また、直射日光や紫外線に当て続けると強度が落ち、黄ばみの原因になりますので、注意が必要です。
麻(リネン)
特有のサラッとした風合いが特徴のリネン。
薄地であるにも関わらず、自然素材の中でもっとも丈夫であると言われます。
繊維自体に抗菌性もあり、カビや雑菌の繁殖を抑えてくれ、吸水性・通気性・耐熱性・耐水性・透湿性・速乾性に優れた素材。
機能性が高く、独特の光沢と涼やかな見た目が人気のリネンですが、コットン同様、水洗いで縮んでしまったり、シワになりやすいといったデメリットがあります。
毛(ウール)
一般的には羊毛から作られるものを指しますが、ラクダやウサギ、ヤギなどの毛糸を用いたものもウールと呼ばれます。
保温性・保湿性・吸湿性・伸縮性があり、静電気を防ぎ、シワや汚れがつきにくいのが特徴。
欠点は、虫の害を受けやすいこと。加えて直射日光に弱く、長時間直射日光にさらされると、日光で黄変を起こすこともあります。
絹(シルク)
シルクは蚕(カイコ)の繭から採取した、独特の光沢と滑らかな質感を持った天然繊維です。
保湿性に優れ、軽くて丈夫。シルクが持つ上品な光沢と色合いは多くの人々を魅了してきました。
しかしながら高価な繊維素材のため、一般的に多く使われることはありません。
またウール同様、虫に狙われやすく、日光で黄変。水にも弱いため、取り扱いには注意が必要な生地です。
カーテン生地:化学繊維
石油などから化学的プロセスにより製造された繊維の総称。合成繊維、半合成繊維、生成繊維などに分けられる。
ポリエステル
ポリエステルとは石油から作られる、世界で最も生産量の多い合成繊維。
ナイロンに次ぐ強度を持ち、耐久性・耐水性・速乾性・耐候性に優れ、軽くシワになりにくいのが特徴。
自然素材のような「シワ」「縮み」「型崩れ」になりにくく、紫外線にも強いため、カーテンに適した素材として用いられています。
また近年では、コットンやリネンのような天然素材の風合いを作り出したものもでてきて、更に選択の幅が広がっています。
ナイロン
ナイロンは、主に石油を原料としたポリアミド合成樹脂の種類。
開発当初は女性用ストッキングに使われたことで人気を集め、世界中に広まりました。
綿の10倍と言われるほど摩擦に強く、軽い上に弾力性・伸縮性に優れています。
しかしポリエステルとは違い、熱に弱く吸湿性が低く、静電気を帯びやすいなどのデメリットもあります。
アクリル
アクリルとは、ポリエステル・ナイロンと並ぶ合成繊維の一種。
ウールに似たふっくらとした柔らかな風合いと、軽量で保温性に優れているといった観点から、セータなどに良く使われています。
この繊維の特徴は、強度が強く、耐久性・耐光性に優れ、比較される天然素材のウールとは違い、虫食いなどの影響を受けないところ。
吸水・吸湿性は劣りますが、反面、乾きが早いといった利点が挙げられます。
冬の乾燥期には静電気を帯びやすいので、相性が悪い繊維(レーヨン・ナイロン・シルクなど)との組み合わせには注意が必要です。
レーヨン
レーヨンは、木材パルプやセルロースから作られた、天然ベースの再生繊維。
安価ではあるが、シルクのような質感を模倣した生地感と、染色しやすく美しい発色性。加えて優れたドレープ性能から、カーテン生地にも良く使われています。
吸水・吸湿性が良い反面、水濡れに弱く縮みやすい。摩擦に弱くシワになりやすいといったデメリットが挙げられます。
キュプラ
キュプラは、レーヨンと同様の再生繊維で、銅アンモニア繊維が使われているものを「キュプラ」と表示します。
原料はコットンリンターという綿花で、セルロースを主成分とし、レーヨンとは区別されています。
滑らかで肌触りの良い風合いを持つ、人造シルクという側面を持つ繊維で、日光による黄変、水濡れによる強度の低下、耐久性はレーヨンよりは優れています。
柔らかな肌触りと吸湿・保湿性、静電気が起きにくい点から、スーツやコートの裏地に良く使われています。
ただし、摩擦に弱く毛羽立ちやすい上、シワになりやすく、お手入れが大変な生地であるので、こまめなお手入れをお勧めします。
機能性? それとも好みの素材? 選ぶのはあなた
天然繊維と化学繊維。それぞれ生地素材として一長一短はありますが、どちらにも得難い魅力や特徴があります。
機能面で選ぶのか? 好みの素材を選ぶのか?
お部屋のスタイルを踏まえた上で、今回の記事が、あなたのインテリア・コーディネートの一助となれたなら幸いです。